2016-2017 FIM世界耐久選手権シリーズ(EWC)最終戦
“コカ・コーラ ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第40回大会
三重県 鈴鹿サーキット(1周=5.821km)
7月30日(日)決勝 天候:曇り 路面:ドライ
観客動員数:128,000人(4日間合計)
鈴鹿8時間耐久ロードレースが7月の最終週に三重県・鈴鹿サーキットで開催された。今年は、1978年に始まった鈴鹿8耐が40周年を迎える節目のレース。さらにFIM世界耐久選手権シリーズは、昨年の9月にフランス・ボルドール24時間耐久で開幕し、今回の鈴鹿8耐で最終戦を迎えるという年をまたいでのスケジュールで初めて行われ、シリーズチャンピオンもここで決まる大一番となっていた。
世界耐久選手権でもO・Zレーシングのユーザーは多く、ゼッケン1をつける#1 SERT(SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM)、#7 YART-YAMAHAはチャンピオン獲得の可能性があった。特にSERTは、暫定ランキングトップで鈴鹿に乗り込んでいたが、暫定ランキング2番手の#94 GMT94 YAMAHAとは僅か1ポイント差。どちらか前でゴールした方がチャンピオンというシンプルな構図だった。
公式予選は、今年からライダーの平均タイムで決まることになった。すなわち3人ならば3人の合算を3で割る計算。一人だけがタイムを出せばいいという予選ではなく、それぞれがタイムを出しやすいセッティングにしなければならない。またタイヤ本数制限もあり、8時間の決勝で使うタイヤを考慮しつつ、公式予選を戦わなければならなくなった。
公式予選が行われた金曜日は、レースウイークで一番暑い日となった。ライダー、それぞれ20分のセッションが2回あり、路面温度が一番上がる時間を避けてタイムを出すのか、チョイスしたタイヤに合う温度レンジでアタックするのか、各チーム各ライダーで思惑が交錯する。連覇を狙う#1 SERTは、エースのヴァンサン・フィリップ選手が2分10秒570のチームベストをマーク。エティエヌ・マッソン選手が2分12秒220、そして今回チームに加入したJSB1000ルーキーの濱原颯道が2分11秒750をマーク。平均タイムは、2分11秒513となり総合22番手となった。ライバルの#94 GMT94 YAMAHAは、15番手と両チームの決勝の行方に注目が集まった。
決勝日は、曇り空となり例年に比べれば気温も上がらなかった。予定通りル・マン式スタートで始まり、その直後に雨が降ってくる。この雨に足もとをすくわれたライダーもいたが、上位、そして世界タイトルを争うチームは、不安定なコンディションながら冷静な判断で周回を重ねて行く。
しかし#1 SERTに不運が襲う。ちょうど最初のルーティンピットワークを終えたところセーフティカーが入り、ピットロード出口がクローズとなりタイムロス。この遅れを取り戻そうと追い上げていた濱原がスプーンカーブで痛恨の転倒。再スタートし、ピットに戻ってくるが順位を再び落としてしまう。#1 SERTのスタッフは驚異的な速さでマシンを修復し、コースに復帰するが18位まで追い上げるのが精一杯だった。GMT94 YAMAHAが11位となったため、惜しくもランキング2位となった。
O・Zレーシングのユーザーの最上位は、5位となった#7 YART-YAMAHAでランキングでは3位となった。#8 BOLLIGER TEAM SWITZERLANDは13位、#111 HONDA ENDURANCE RACINGは43位でゴール。#88 CLUB NEXT & MOTOBUMは、マシントラブルに悩まされながら何とかチェッカーフラッグを受けるものの143周と完走扱いにならなかった。#82 BANNER RACING DUCATI OSAKA EASTは、158周をまわったものの残り1時間20分というところでマシントラブルが発生し無念のリタイアとなった。