2013 MotoGP PREVIEW
テスト禁止期間が明け、2月5日から3日間、マレーシア・セパンサーキットでMotoGPオフィシャルテストが行われた。今シーズンは、バレンティーノ・ロッシ選手がヤマハに復帰し、Moto2チャンピオンのマルク・マルケス選手がケーシー・ストーナー選手の抜けたレプソル・ホンダ入りを果たし注目を集めている。しかし3日間行われたテストでトップタイムをマークしたのはレプソル・ホンダのエース、ダニ・ペドロサ選手だった。2番手に昨年の王者であり、ヤマハのエース、ホルヘ・ロレンソ選手がつけた。この2人は、コンスタントに速く、まだ余力を残しているようだった。そして3番手にロッシ選手、4番手にマルケス選手という結果だった。ロッシ選手は、念願のドライコンディションでYZR-M1をライディング。完全復活に向けて着実に調子を取り戻してきているようだ。一方、マルケス選手はMotoGPルーキーとは思えないキレのある走りを見せていた。ペドロサ選手、ロレンソ選手の両エースを中心にロッシ選手、そしてマルケス選手がどこまで迫れるかが、タイトルの行方を左右しそうだ。
O・Zレーシングユーザーは、新たにホンダのサテライトチーム、Go & Fun Honda Gresiniが採用。アルバロ・バウティスタ選手が駆るRC213Vの足下をO・Zレーシングが支えている。
同じくホンダのサテライトチームであるLCR Honda MotoGPのステファン・ブラドル選手も引き続きO・Zレーシングを履く。
CRT勢は、昨年トップを取ったアレックス・エスパルガロ選手、そしてランディ・ド・ピュニエ選手を擁するPower Electronics Asper、ドゥカティからARTに乗り換えたCardion AB Motoracingのカレル・アブラハム選手、そしてMotoGPに復帰した青山博一選手、ヘクトル・バルベラ選手を走らすAvintia BlusensがO・Zレーシングを履いている。
2年ぶりにMotoGPに戻って来た青山選手は、1月中旬にスペインでモトクロストレーニング中に転倒。ホイールに左手が挟まれてしまい手首の一部を骨折してしまう。オフィシャルテストを前に不安要素を抱えてしまったが、意外に左手首の状態は悪くなかった。CRT勢は、今シーズンから供給される共用ECUのテストのために2日前から走行を開始。青山もケガの状態を見ながら走り始めるが、マシントラブルが発生。天気も悪く周回を重ねることができなかった。しかし、オフィシャルテストに入るとマシンも徐々に調子がよくなり、スイングアームとステムの剛性違いを試し、今シーズン使って行くものの選定を行った。3日目にもトラブルが発生するものの、まずまずのテスト内容だった。
「ケガの状態が思いの外よかったので、いいテストになりました。今回は、マシンの仕様決めを行い、次回のテストでようやくセッティングに入れます。去年、最終戦にスポット参戦して、いろいろ課題が見つかったので、それに対するリクエストに徐々に応えてもらっているところです。ケガも開幕戦までに完璧に治して臨みたいですね。当面の目標はCRT勢でトップになることですが、まだアプリリアとは差がありますね。ただ、ECUがマニエッティ・マレリになってエンジンパワーが出ているので、ストレートスピードでは、アプリリアと互角に走れています。問題はコーナーリングですね」と青山。
MotoGPは、この後、2度のオフィシャルテストを行い、4月7日にカタール・ロサイルサーキットで2013年シーズンが開幕する。MotoGPクラスはもちろん、Moto2クラス、Moto3クラスでは圧倒的なシェアを誇るO・Zレーシングが、今年も世界最高峰の2輪ロードレースを盛り上げる!