2018-2019 FIM世界耐久選手権シリーズ(EWC)最終戦
“コカ・コーラ ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第42回大会
三重県 鈴鹿サーキット(1周=5.821km)
7月28日(日)決勝 天候:晴れ 路面:ドライ
観客動員数:109,000人(4日間合計)
2019年も多くの観客を集め鈴鹿8時間耐久ロードレースが7月最終週に開催された。鈴鹿8耐に合わせたように梅雨空けし、合わせたように台風6号が発生。土曜日に接近し、走行はキャンセルとなったが、決勝日は朝から快晴となり、蒸し暑い一日となっていた。
今年もO・Zレーシングのユーザーは、Hondaのワークスチーム#33 Red Bull Hondaを筆頭に#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda、#090 au・テルル SAG RT、#111 HONDA ENDURANCE RACINGなどのHonda勢、世界耐久選手権でチャンピオン争いを繰り広げている#2 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAMなどがエントリーした。
今年は、カワサキがワークスチームである#10 Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hで18年振りに参戦し、5連覇を狙う#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM、そして#33 Red Bull Hondaとの戦いが注目された。
序盤こそ#12 YOSHIMURASUZUKI MOTUL RACING、#1 F.C.C. TSR Honda Franceがトップ争いに加わっていたが、その後は#33 Red Bull Honda、#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM、#10 Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hが僅差でトップ争いを繰り広げていく。
一方、暫定ランキング2番手につけていた#2 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAMは、8番手辺りにつけ、このままゴールすれば逆転チャンピオンという状況だった。#2 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAMを40年間率いてきたドミニク・メリアン監督は、この最終戦を最後に勇退を決めており、花を添えたいところだったのだが…。
トップ争いは#33 Red Bull Hondaの高橋巧選手が走るときにトップを奪い、#10 Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hは、ジョナサン・レイ選手のときにトップに立ち、#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMが僅差で続く展開が続く。
そしてレース終盤に入ると#33 Red Bull Hondaの高橋巧選手が#10 Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hのレオン・ハスラム選手をかわしトップに立ちリードを広げる。ここで#33 Red Bull Hondaは、高橋巧選手を連続で走らせることを決断。高橋巧選手も必死の力走を見せトップを走るが、その後方から#10 Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hのレイ選手が2分06秒台というファステストラップをマークしながら迫ると万事休す。残り30分で夕闇が迫ると西コース側から雨も降り出しチェッカーまで一瞬も気を抜けないコンディションとなってくる。ここで#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMのアレックス・ローズ選手が猛追し、#33 Red Bull Hondaをかわして2番手に浮上。後はチェッカーを受けるだけと思われていた。
しかし残り10分、今年の鈴鹿8耐を大きく狂わせるアクシデントが起きてしまう。9番手を走っていた#2 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAMは、このままゴールできれば#11 TEAM SRC KAWASAKI FRANCEに1ポイント差で奇跡的な逆転勝利という場面だった。後方からは#19 KYB MORIWAKI RACINGの小山知良選手が追い上げてきていた。そして210周を終え、211周目の1コーナーに進入していこうかというとき#2 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAMのマシンがエンジンブロー。白煙を吹きながらS字コーナーまで走行を続けてしまい無念のリタイア。
その直後だった。トップを走っていた#10 Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hのレイ選手がS字コーナーでオイルに乗り転倒してしまう。このアクシデントで赤旗が提示され、レースは、そのまま成立。裁定でひと悶着あったが、#10 Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hが26年振りの優勝を飾る結果となった。
力走を続けた#33 Red Bull Hondaは悔しい3位。#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaは、予選でタイヤマーキングのステッカーを貼る位置を間違えたことでスタート時に90秒のピットストップのペナルティを受けてしまっていたが最後尾から7位まで追い上げた。#090 au・テルル SAG RTは、スタート直前のウォームアップ走行で転倒。30分ほど修復に時間がかかってしまい、そこから追い上げ32位だった。