2016 MotoGP PREVIEW
テスト禁止期間が明けた2月1日(月)から3日間に渡ってマレーシア・セパンインターナショナルサーキットで世界最高峰のロードレースMotoGP世界選手権シリーズのオフィシャルテストが行われた。2016年シーズンより共通ECUが採用され、昨年までのファクトリー、ファクトリーオープンといったカテゴリーは廃止され、すべてMotoGPクラスで統一された。またタイヤがブリヂストンからミシュランとなり、各チームは、共通ECUとミシュランタイヤへの合わせ込みが急務となっていた。
Moto2、Moto3クラスでは最大のユーザーを抱えているO・Zレーシング。プレミアクラスのMotoGPクラスでは、今シーズンからRepsol Honda Teamのマルク・マルケス選手がO・Zレーシングユーザーの仲間入りを果たした。2010年に125cc、2012年にMoto2の世界チャンピオンを獲ったときもO・Zレーシングを履いていたマルケス選手が自身の好みでMotoGPでもO・Zレーシングを選んだのだ。2013年、2014年と圧倒的な速さでチャンピオンとなったマルケス選手だが、昨年は、歯車が噛み合わずタイトルを逃してしまった。2016年は、タイトル奪還のシーズンとなる。
HondaのサテライトチームであるLCR Hondaのカル・クラッチロー選手、E G 0,0 Marc VDSのティト・ラバット選手もO・Zレーシングユーザーだ。なおLCR HondaからE G 0,0 Marc VDSに移籍したジャック・ミラー選手は、シーズンオフのトレーニング中に負傷してしまい今回のオフィシャルテストは残念ながらキャンセルとなってしまった。
3日間行われた2016年最初のテストでトップタイムをマークしたのは、昨年のチャンピオン、ヤマハのホルヘ・ロレンソ選手。タイムは1分59秒580と、ただ一人2分を切ってきたが、昨年と比べれば全体的にタイムは伸びていない。やはり共通ECU、ミシュランタイヤへのスイッチは、大きな影響を与えている。2番手にダニロ・ペトルッチ選手、3番手にエクトル・バルベラ選手とドゥカティのサテライトチームの2人が続くが、この2名は2日目にソフトタイヤで記録したタイム。2日目には、ロリス・バズ選手がホームストレートで転倒。このときソフトタイヤを履いていたため、このアクシデント後は、原因究明のためソフトタイヤを履くことができなかったため、思うようにタイムアップができなかった状況もある。そう考えると、4番手につけたバレンティーノ・ロッシ選手が実質の2番手とも言えるだろう。
O・Zレーシングユーザーでは、やはりマルケス選手が速く、2分00秒843で総合5番手。ただ昨年は、同じ時期のテストで1分58秒867という、とてつもないタイムを出しており、約2秒も遅いだけに、思うようマシンがまとまっていないのが現状のようだ。6番手にLCR Honda2年目となるクラッチロー選手、MotoGPルーキーのラバット選手は転倒もあり17番手となっている。
今年は、セパンテストは今回のみ。2月17日から3日間、オーストラリア・フィリップアイランド、3月2日から3日間カタール・ロサイルサーキットでオフィシャルテストを行い、3月20日にカタールで開幕戦を迎える。